DAC(デジタルアナログコンバーター)を更新

モニター用のDACをLavry EngineeringのDA10からRMEのADI-2 Pro FSに変更しました。
PC→MADIface XTからAESでADI-2 Pro FS→モニタースピーカーのSM9へ接続してます。

このDACはパソコンなどからのデジタル信号をモニタースピーカーへのアナログ出力に変換するための重要な機材でレコーディングスタジオからマスタリングスタジオ、はたまたピュアオーディオ界隈まで価格帯もピンキリで様々な製品があります。
マスタリングスタジオなどは、Lavry EngineeringやPrismSound辺りの製品が多く導入されてます。

最近はパソコンで音楽を聴く方も増え、パソコンからUSBで接続できるDACなども多くありますね。
今回更新したADI-2 Pro FSもUSB接続が可能な機種です。

ADI-2 Pro FSに興味のある方は、下記サイトから詳細をどうぞ
https://synthax.jp/adi-2pro.html
アナログ録音からデジタル録音になり、またパソコンの進化とともにCD規格である16bit-44.1kHZを超える
ビット深度とサンプリングレートをDTMで扱えるようになり、パソコンからの入出力先であるオーディオインターフェースも様々な機能を持ちつつ音質も向上しつつありますが、やはり音質は専用機に限ります。

また、デジタル変換のフォーマットも一般的なPCMからDSDに対応できる製品も普及してきています。
PCMとDSDの詳しい仕様は調べてみてください。
前置きが長くなりましたが、ADI-2 Pro FSについて

この製品、PCMは768kHz、DSDは11.2MHzまで扱えます。スゲーです。

当スタジオではPCM 96kHzでの録音が基本ですが、大手スタジオでも48kHzのところも未だに多いです。
クラッシックの録音では196~386kHzなどありますが、768kHzとなるとマルチチャンネルでの録音及び再生できるソフト自体が少なく(無いのかも?)、パソコンの負荷やデータ量、プラグインの対応など、一般的なレコーディングでの使用は現実的ではないように思われます。

なんでもRMEの開発者いわく
「自社製品開発時に必要な、高い精度を持つAD/DAコンバーターがなかった。」
で、作ったとのことでした。

DSDも扱える録音単体機として、KORGのMR2000SやTASCUMのDA-3000などありますが、これらでも、PMC192kHz、DSD-5.6MHzフォーマットです。

ADI-2 Pro FSに付属している波形編集ソフトsound itはDSD 256(11.28MHz/12.28MHz)や、PCM 768kHz/32bit(Integer)で2チャンネルの録音及び再生が可能となってます。スゲーですよこれ
ADI-2 Pro FSのもう一つの機能として、名前にもあるFSです。
通常アナログからデジタルに変換する際に時間軸で一定とならずブレが生じます。
これ(ジッターといいます)を抑えるために、信号(クロック)を送り同期する必要があります。
特にデジタル機器を同時に複数使用する際は、きちんと同期をとらないとまともに録音できなくなります。

この同期をとるための機器も各メーカーから多種多様な製品が出ていますが、ADI-2 Pro FSはFS(フェムト秒 )フェムト(1000兆分の1)秒の精度だそうです。
想像もつかねーし、よくわからなけど、スゲーです。

ANTRLOPE AUDIOの10MXは「約3000年に1秒の誤差」だそうです。どっちがすげーのかわからんです。
さてDA10からADI-2 Pro FSに変えて、肝心の音質ですが
「DA10の音は粗い」
「ADI-2 Pro FSは、その解像度からツルっとてなめらか」
と感じました。

DA10もプロユース製品として品質がよいものでしたが
如何せん古い機種となり、デジタル機器の進化を目の当たりにしました。

以前、APOGEEのRosetta800からANTELOPEのORION32に変えた時も同じように感じました。

聞きなれた音からの慣れも必要ですが、フェーダーやEQ等の変化はつかみやすく、特に高域と低域は見えやすくなりましたね。
さて、当スタジオでは今後マスタリング業務にも、さらに力を入れていく方針で、これを見据えたうえで、数あるDACの中からADI-2 Pro FSを音質はもちろんのこと機能も含め購入しました。

今後のマスタリング業務の予定としては

レコーディング及びミックス用のDAWからアナログ出しでマスタリング用のアウトボードを使いADI-2 Pro FSでAD変換しDSDでマスターを録音する。
こうすることにより、DAWでのフォーマットに依存することなくまた、アナログのアウトボードで処理した音質を最高DSD11.7MHzで現状においてはアナログに一番近い状態でマスター原盤が作成できるようになります。

また、ミックス完了後に2mixを作成せずに、マスタリングすることも可能となるので、ミックスからマスタリングまでがシームレスに行えるようになります。
現在、マスタリング用のEQ、COMP、LIMITERを選定している最中で、令和2年中での業務開始を目指しております。
はてさて
長文となってしまいましたが、今回のDAC更新は音質向上はもとより、今後の業務展開も含め、当スタジオの可能性を広げるものとなりました。

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