TRINNOV AUDIO 知ってますか?このオーディオ機器メーカー https://stella-inc.com/stellawebsite/trinnov-audio-range/ (こちらは一般向けの代理店になります。) "The most innovative sound in the world" 世界で最も革新的なサウンドテクノロジー また、"3D音響テクノロジーでオーディオの未来を拓く" ともあります。 この"3D音響テクノロジー"とは何かといえば そう、それは“音響補正”です。 DTMをやられている方なら IK Multimedia ARC3.0 Sonarworks SoundID reference 最近ではモニタースピーカー自体に補正機能が備わっている NeumannやGENELECなどご存じと思います。 ARCとreferenceの比較はこちらに記載してます。 https://ameblo.jp/trancecross/entry-12387003380.html https://ameblo.jp/trancecross/entry-12409083470.html その当時、うちのスタジオでも使っていました。 なぜ、このような音響・音場補正ツールを使用するのか? それはスピーカーからの音が全帯域において過不足なく、同じ速度で耳に届くようにするため 部屋の形状、視聴位置、壁・床・天井の材質などにより スピーカーから発する音は本来の音から変化し帯域ごとにバラバラに 聞こえてきます。 この変化した音を、本当はこんな音なんだよと補正するのが音響補正です。 ARC3.0もSoundID referenceも素晴らしい音場補正ツールですが TRINNOV AUDIOは"別格"で、価格も別格です。 ARC3.0やSoundID referenceはステレオスピーカーに対いてひとつのマイクで 測定するのに対し、TRINNOV STは4本のマイクで同時に測定することにより 立体的な音響補正ができ、各帯域の補正だけでなく、位相補正、群遅延補正など行い、単なる帯域補正とは異なることです。 価格が価格だけに手が出にくいと思いますが、これを知ってしまうとARC等には戻れないですね。
投稿者: studio un
電源電圧対策
さて、表題のとおり今回は電源についてです。 レコーディングに使用する機材は、そのほとんどで電気が必要です。 日本の一般家庭用の電源電圧は100Vなので、国内製造の製品は当然100Vが基本となってます。 アメリカ国内は120V、欧州では多くが230Vとなっており、並行輸入で購入した機材は120Vや230Vの電源電圧が必要となります。
日本の家庭用電源は電柱から引き込みますが、電柱から家までの距離によって±5Vが許容されています。(現実的にはもう少し幅があるそうですが) 距離が長くなると電圧が下がるらしいです。
電圧が極端に降下とどうなるか?
電源が入らなくなる、機器の動作が不安定になる、寿命が短くなるなど
スタジオで使用する機器において使用中に電圧が微妙にでも変化すると音に影響しそうじゃね?
ってことで、電圧を一定に供給できる機器が、そう定電圧装置です。
ずずん
当スタジオでは、100V用と120V用の2つご用意しております。
機材の安定は良い電源から
電源関連の話はオーディオ界隈含め奥がかなり深いので、この辺りで失礼します。
DAC(デジタルアナログコンバーター)を更新
令和2年1月3日 はやくも新年3日経ちましたね さて、当スタジオも機材の更新が進んでおります。 今回はタイトルにあるようにDACになります。
モニター用のDACをLavry EngineeringのDA10からRMEのADI-2 Pro FSに変更しました。
PC→MADIface XTからAESでADI-2 Pro FS→モニタースピーカーのSM9へ接続してます。
このDACはパソコンからなどのデジタル信号をモニタースピーカーなどへアナログ出力に変換するための重要な機材で 、レコーディングスタジオからマスタリングスタジオ、はたまたピュアオーディオ界隈まで価格帯もピンキリで様々な製品があります。
マスタリングスタジオなどは、Lavry EngineeringやPrismSound辺りのAD/DAが多く導入されてます。 最近はパソコンで音楽を聴く方も増え、パソコンからUSBで接続できるDACなども多くありますね。
今回更新したADI-2 Pro FSもUSB接続が可能な機種です。 ADI-2 Pro FSに興味のある方は、下記サイトから詳細をどうぞ https://synthax.jp/adi-2pro.html
アナログ録音からデジタル録音になり、またパソコンの進化とともにCD規格である16bit-44.1kHZを超えるビット深度と サンプリングレートをDTMで扱えるようになり、パソコンからの入出力先であるオーディオインターフェースも 様々な機能を持ちつつ音質も向上しつつありますが、やはり音質は専用機に限ります。 また、デジタル変換のフォーマットも一般的なPCMからDSDに対応できる製品も普及してきています。
PCMとDSDの詳しい仕様は調べてみてください。 前置きが長くなりましたが、ADI-2 Pro FSについて この製品、PCMは768kHz、DSDは11.2MHzまで扱えます。スゲーです。
当スタジオではPCM 96kHzでの録音が基本ですが、大手スタジオでも48kHzのところも未だに多いです。 クラッシックの録音では196~386kHzなどありますが、768kHzとなると多チャンネルでの録音及び再生できる ソフト自体が少なく(無いのかも?)、パソコンの負荷やデータ量、プラグインの対応など 一般的なレコーディングでの使用は現実的ではないように思われます。
なんでもRMEの開発者いわく 「自社製品開発時に必要な、高い精度を持つAD/DAコンバーターがなかった。」 で、作ったとのことでした。 DSDも扱える録音単体機として、KORGのMR2000SやTASCUMのDA-3000などありますが、これらでも、PMC192kHz、DSD-5.6MHzフォーマットです。 ADI-2 Pro FSに付属している波形編集ソフトsound itはDSD 256(11.28MHz/12.28MHz)や、PCM 768kHz/32bit(Integer)での 録音及び再生が可能となってます。
ADI-2 Pro FSのもう一つの機能として、名前にもあるFSです。 通常アナログからデジタルに変換する際に時間軸で一定とならずブレが生じます。 これ(ジッターといいます)を抑えるために、信号(クロック)を強制的に送り同期する必要があります。
特にデジタル機器を同時に複数使用する際は、きちんと同期をとらないとデジタルノイズが発生しまともに録音できなくなります。 この同期をとるための機器も各メーカーから多種多様な製品が出ていますが、ADI-2 Pro FSはFS(フェムト秒 )フェムト(1000兆分の1)秒の精度だそうです。
想像もつかねーし、よくわからなけど、スゲーです。 ANTRLOPE AUDIOの10MXは「約3000年に1秒の誤差」だそうです。どっちがすげーのかわからんです。 さてDA10からADI-2 Pro FSに変えて、肝心の音質ですが 「DA10の音は粗い」 「ADI-2 Pro FSは、その解像度からツルっとてなめらか」 と感じました。 DA10もプロユース製品として品質がよいものでしたが 如何せん古い機種となり、デジタル機器の進化を目の当たりにしました。
以前、APOGEEのRosetta800からANTELOPEのORION32に変えた時も同じように感じました。 聞きなれた音からの慣れも必要ですが、フェーダーやEQ等の変化はつかみやすく、特に高域と低域は見えやすくなりましたね。
さて、当スタジオでは今後マスタリング業務にも、さらに力を入れていく方針で、これを見据えたうえで、数あるDACの中からADI-2 Pro FSを音質はもちろんのこと機能も含め購入しました。
今後のマスタリング業務の予定としては レコーディング及びミックス用のDAWからアナログ出しでマスタリング用のアウトボードを使いADI-2 Pro FSでAD変換しDSDでマスターを録音する。
こうすることにより、DAWでのフォーマットに依存することなくまた、アナログのアウトボードで処理した音質を最高DSD11.7MHzで現状においてはアナログに一番近い状態でマスター原盤が作成できるようになります。
また、ミックス完了後に2mixを作成せずに、マスタリングすることも可能となるので、ミックスからマスタリングまでがシームレスに行えるようになります。 現在、マスタリング用のEQ、COMP、LIMITERを選定している最中で、令和2年中での業務開始を目指しております。
はてさて 長文となってしまいましたが、今回のDAC更新は音質向上はもとより、今後の業務展開も含め、当スタジオの可能性を広げるものとなりました。
RND Potico5033導入
前回の記事から結構な時間が経ってしまいましたが、アナログ機材・デジタルソフトともに、必要な箇所に必要な分だけ適材適所で導入してます。
このrupert neve designs portico 5033はEqualizer(イコライザー)
イコライザーっていうと、周波数帯域を持ち上げたり、減らしたり調整するものだけど、本来はイコール”=”で等しくする平衡化ってことで、録音する音を録音後も同じ音となるように補正するってことです。
5033は5バンドのEQで、かの有名なSSL4000Eなんかは4バンド
バンド数はいじれる帯域の数
HF(high frequency)、LMF(low mid frequency)
HMF(high mid frequency)、LF(low frequency)
がよくある4バンドEQ
5033はこれにMF(mid frequency)が追加されてます。
各帯域ごとにいじれる範囲が決まってて、これがアナログの不自由さでもありメリット、中域がもっさりしてれば、そのあたりを減らして、高域足りないと思えば足せばいい
単純だけど、これでだめなら根本的な処理が必要になるかなと
5バンドのEQはマスタリング用とかに多く、ミックス用にはあまりなく、これがあれば、まー困ることはないかなと
音質は、どこをどういじっても自然、嫌味が無いSSL4000Eがスパスパっとした感じに比べ、もっちりふくよかで音楽的な素晴らしいEQ
steingergからplugin化されてます。
yamahaのモデリング技術を使い、本家RUPERT NEVEさんが認め販売されてます。
AD/DA全てをMADIへ変更しました。
当スタジオでは、AD/DAの変換をADATとMADIの
2つの規格を使用しておりましたが、全てをMADIに統一しました。
これまでは
ADATは、APOGEE-ROSETTA800 2台
MADIは、ANTELOPE AUDIO-ORION32 1台となっておりましたが、
ANTELOPE AUDIO-ORION32 2台とRME MADIfaceXTに変更しました。
APOGEE ROSETTA800も長年使用し、特定のチャンネルに不具合が起きたこと
また、インターフェースを複数使用することの故障の確立、ワードクロック及び配線の複雑さから
MADIへ統一することにしました。
変更後は、ブース側でプリアンプから96kHzで32chの入出力
コントロールルーム側でも32chのアウトボードへの入出力となっております。
AD/DAで大事なクロックは、コントロールルームのORION32から
ブース側のORION32とMADIfaceXTへ送るシンプルな状態となっております。
APOGEE ROSETTA800のロックな音はホント好きでしたが
ADATの規格がハイレゾの96kHzへの変換チャンネル数の少なさはネックになりつつあり
こればっかりは仕方がないこと
AD/DA変換としては、当スタジオで採用したRMEにも以外にも
focusriteのREDNETや、wavesとdigicoのDiGiGridなどもあり比較検討しましたが
REMをこれまで使ってきたこと、また、安定性や信頼性が抜群によいので
RME MADIfaceXTとANTELOPE ORION32にしました。
IK multimedia ARC system 2.5 vs sonarworks reference4 音場補正ソフト
モニタースピーカーの音場調整システム
![](http://studio-un.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2018/07/IMG_2689-300x225.jpg)
スタジオ料金の改定について
いつも利用いただき、ありがとうございます。
2018年7月1日からスタジオの利用料金を以下のように改定します。
レコーディング 4,000円(1時間)
リハーサルスタジオ 2,000円(1時間)
ミックスダウン 20,000円から、当スタジオでの録音素材以外につきましては 25,000円から
マスタリング 2,000円(プリマスタリングまで)
詳しくは、こちら からご確認ください。
よろしくお願いいたします。
AUDUO-TECHNICA 4080導入
桜も散りつつ、日ごとに暖かくなってきている中、相変わらず録音機材の収集してます。
AUDIO-TECHNICA4080 リボンマイク
ROYER R122 MKⅡを宮地楽器さんから購入した時に、リボンマイクを何本か試聴し感触がすごくよかったマイク
その時はアコギと声で、近め、遠めで試して、オールマイティに使えるマイクだなと
AUDIO-TECHNICAのマイク全般の特色である「フラットさ」を、リボンマイクでも感じることのできるマイク
Royer R122はアクティブ回路なこともあり、若干硬質な音色(特に低域)なのに対し、AT4080全体的にふんわりした音色
低域も十分に出ていて、高域もリボンマイクにしては十分に出ていて、楽器によってはEQで高域を突く必要がないくらい
ここまで書いててなんですが、このマイクすごいですよ
AKG C451などのスモールダイアフラムマイクでドラムトップを録音すると、ローカットしてシンバルにフォーカスした音色にすることが多いと思いますが、AT4080だと、AT4080を主として、各パーツの音色を足していくような音色で、まとまりがよいドラムが作れますね
ボーカルに使っても、中低域がしっかり出ているので、存在感がある音で真空管マイクとはまた違った使い出があります
現状、ナレーションに使ってみたいと思ってます
AT4047とAT4080
防音室について 2.壁、天井編
床編に続き、壁、天井編になります。
まずは、壁、天井を普通の住宅と同じく、在来工法で作ります。
その部屋の中に遮音、吸音するための壁、天井を再度作るイメージになります。
当スタジオの遮音、吸音用の壁、天井は、厚さが約30cmにもなるため、普通の住宅の天井高さからでは低くなってしまうので、床を低くし、さらに天井高さも高く設計してます。
壁厚も四方が当初よりも30cm狭くなるので、これを見越した部屋の広さが必要になります。
これが天井の構造で、壁も基本的には同じ構造ですが、遮音層、吸音層が交互に5層の積層構造となっています。
これが遮音材
こちらが吸音材になります。
5層構造ともなると、材料(一部ですが)だけでもこれだけの量になります。
こちらが最後に吸音パネルを設置した最終の状態です。
防音室内は密閉空間となるため、防音専用の換気システムも必要となります。
また冷暖房も室外機と繋がるため防音専用の配管となっております。
防音、遮音、吸音、拡散のバランスについてですが
音の全周波数帯において、完璧に防音、遮音を可能とすると、SONYのスタジオ建設時においては、コンクリート厚は最低1.5m必要となったようです。この完璧な防音、遮音は、逆に言えば音の逃げ道が無いので、全てが反射され室内にいつまでも反響している状態となります。
音もエネルギーなので、反射を繰り返すにつれ、壁、床、天井での摩擦等により熱などに変換され減退していくのですが、録音にとっての適切な反響を得るためには、吸音と拡散が必要となります。
吸音は、低域になるほど難しく、100Hz以下に対し効果的な吸音材はないと思います。また、吸音材を過剰に設置すると高域が吸音され過ぎて、音が篭ったスタジオにもなる可能性もあります。
この低域の定在波の影響を少なくするためには拡散が必要となります。
聞きかじった話ですが、音楽にとって理想的な環境は、雪が降っている竹林なんだそうです。
雪が深々と降ってると静けさもあり、竹林も適度な反響もありそうで、確かに理想的かなと思いますが
当スタジオでは、遮音、吸音、反射を考慮し、スタジオ外部への影響が無いように在来工法の壁、床、天井までは、ある程度音を意図的に漏れさせ、バランスを取り理想的な音質で録音できる環境となっております。
録音機器等も含め、理想的な録音環境となるように努力しております。
防音室について 1.床編
めっきり暖かくなり、桜も満開、花粉も満開な季節となりましたね。
スタジオ近くの公園へ花見に行ったら、出店が例年に比べ少ない感じ
急に春めき桜が咲き始め、出店の移動調整が難しかったのかと邪推しつつ
今回のブログは、当スタジオの録音環境について、特に防音室・レコーディングブースについてです。
当スタジオは、約14畳と約2畳のレコーディングブースがあり、ドラムとボーカル・アコギなどを同時にかぶり無く録音できるようになっており、このブースの他に録音をオペレートするコントロールルームがあります。
録音をする際に、防音室・レコーディングブースに求められること
それは「なにか?」と言われれば
※遮音:録音する音源以外を排除できること
※反響:録音する音源を、適切な響きで録音できること
になると思います。
※遮音は、生活環境音(家電製品の稼動音や車の騒音など)から遮断され、録音する音源だけをクリアに収録できること。
※反響は、響き過ぎない環境(フラッターエコーや、特定の周波数だけ反響しない)が必要。
特に、「遮音」については、レコスタとして最低条件です。
これを踏まえたうえで、当スタジオの防音室・レコーディングブースはどうなっているのか?
前置きが長くなりましたが、「1.床編」本題です。
当スタジオの床構造は「浮き床」となってます。
これは、基礎の土間コンクリートの上に高密度の断熱材を敷き、その上にコンクリートを再度打設することにより、地面及び他基礎との接点を無くし、屋内外からの振動を遮断(縁切りという)すること。
これが、96kのグラスウール断熱材
この断熱材で四方を囲み、この上からコンクリートで浮き床を作ると
こうなります。
ちなみに、グラスウール断熱材は100mmで、コンクリート厚は150mm
当スタジオの床への遮音、調音の対策は以上です。
次回は、「2.壁編です」