AUDUO-TECHNICA 4080導入

桜も散りつつ、日ごとに暖かくなってきている中、相変わらず録音機材の収集してます。

AUDIO-TECHNICA4080 リボンマイク

ROYER R122 MKⅡを宮地楽器さんから購入した時に、リボンマイクを何本か試聴し感触がすごくよかったマイク

その時はアコギと声で、近め、遠めで試して、オールマイティに使えるマイクだなと

AUDIO-TECHNICAのマイク全般の特色である「フラットさ」を、リボンマイクでも感じることのできるマイク

Royer R122はアクティブ回路なこともあり、若干硬質な音色(特に低域)なのに対し、AT4080全体的にふんわりした音色

低域も十分に出ていて、高域もリボンマイクにしては十分に出ていて、楽器によってはEQで高域を突く必要がないくらい

ここまで書いててなんですが、このマイクすごいですよ

 

AKG C451などのスモールダイアフラムマイクでドラムトップを録音すると、ローカットしてシンバルにフォーカスした音色にすることが多いと思いますが、AT4080だと、AT4080を主として、各パーツの音色を足していくような音色で、まとまりがよいドラムが作れますね

 

ボーカルに使っても、中低域がしっかり出ているので、存在感がある音で真空管マイクとはまた違った使い出があります

 

現状、ナレーションに使ってみたいと思ってます

 

AT4047とAT4080

防音室について 2.壁、天井編

床編に続き、壁、天井編になります。
まずは、壁、天井を普通の住宅と同じく、在来工法で作ります。
その部屋の中に遮音、吸音するための壁、天井を再度作るイメージになります。

当スタジオの遮音、吸音用の壁、天井は、厚さが約30cmにもなるため、普通の住宅の天井高さからでは低くなってしまうので、床を低くし、さらに天井高さも高く設計してます。

壁厚も四方が当初よりも30cm狭くなるので、これを見越した部屋の広さが必要になります。

 

これが天井の構造で、壁も基本的には同じ構造ですが、遮音層、吸音層が交互に5層の積層構造となっています。

これが遮音材

こちらが吸音材になります。

5層構造ともなると、材料(一部ですが)だけでもこれだけの量になります。

こちらが最後に吸音パネルを設置した最終の状態です。

防音室内は密閉空間となるため、防音専用の換気システムも必要となります。

また冷暖房も室外機と繋がるため防音専用の配管となっております。

 

 

防音、遮音、吸音、拡散のバランスについてですが

音の全周波数帯において、完璧に防音、遮音を可能とすると、SONYのスタジオ建設時においては、コンクリート厚は最低1.5m必要となったようです。この完璧な防音、遮音は、逆に言えば音の逃げ道が無いので、全てが反射され室内にいつまでも反響している状態となります。

音もエネルギーなので、反射を繰り返すにつれ、壁、床、天井での摩擦等により熱などに変換され減退していくのですが、録音にとっての適切な反響を得るためには、吸音と拡散が必要となります。

吸音は、低域になるほど難しく、100Hz以下に対し効果的な吸音材はないと思います。また、吸音材を過剰に設置すると高域が吸音され過ぎて、音が篭ったスタジオにもなる可能性もあります。

この低域の定在波の影響を少なくするためには拡散が必要となります。

聞きかじった話ですが、音楽にとって理想的な環境は、雪が降っている竹林なんだそうです。

雪が深々と降ってると静けさもあり、竹林も適度な反響もありそうで、確かに理想的かなと思いますが

 

 

当スタジオでは、遮音、吸音、反射を考慮し、スタジオ外部への影響が無いように在来工法の壁、床、天井までは、ある程度音を意図的に漏れさせ、バランスを取り理想的な音質で録音できる環境となっております。

録音機器等も含め、理想的な録音環境となるように努力しております。

 

防音室について 1.床編

めっきり暖かくなり、桜も満開、花粉も満開な季節となりましたね。
スタジオ近くの公園へ花見に行ったら、出店が例年に比べ少ない感じ
急に春めき桜が咲き始め、出店の移動調整が難しかったのかと邪推しつつ

今回のブログは、当スタジオの録音環境について、特に防音室・レコーディングブースについてです。

当スタジオは、約14畳と約2畳のレコーディングブースがあり、ドラムとボーカル・アコギなどを同時にかぶり無く録音できるようになっており、このブースの他に録音をオペレートするコントロールルームがあります。

録音をする際に、防音室・レコーディングブースに求められること

それは「なにか?」と言われれば

※遮音:録音する音源以外を排除できること
※反響:録音する音源を、適切な響きで録音できること

になると思います。

※遮音は、生活環境音(家電製品の稼動音や車の騒音など)から遮断され、録音する音源だけをクリアに収録できること。
※反響は、響き過ぎない環境(フラッターエコーや、特定の周波数だけ反響しない)が必要。

特に、「遮音」については、レコスタとして最低条件です。

これを踏まえたうえで、当スタジオの防音室・レコーディングブースはどうなっているのか?

前置きが長くなりましたが、「1.床編」本題です。
 
当スタジオの床構造は「浮き床」となってます。

これは、基礎の土間コンクリートの上に高密度の断熱材を敷き、その上にコンクリートを再度打設することにより、地面及び他基礎との接点を無くし、屋内外からの振動を遮断(縁切りという)すること。

これが、96kのグラスウール断熱材

この断熱材で四方を囲み、この上からコンクリートで浮き床を作ると

こうなります。

ちなみに、グラスウール断熱材は100mmで、コンクリート厚は150mm
 
当スタジオの床への遮音、調音の対策は以上です。

次回は、「2.壁編です」