電源電圧対策

さて、表題のとおり今回は電源についてです。 レコーディングに使用する機材は、そのほとんどで電気が必要です。 日本の一般家庭用の電源電圧は100Vなので、国内製造の製品は当然100Vが基本となってます。 アメリカ国内は120V、欧州では多くが230Vとなっており、並行輸入で購入した機材は120Vや230Vの電源電圧が必要となります。

日本の家庭用電源は電柱から引き込みますが、電柱から家までの距離によって±5Vが許容されています。(現実的にはもう少し幅があるそうですが) 距離が長くなると電圧が下がるらしいです。

電圧が極端に降下とどうなるか?

電源が入らなくなる、機器の動作が不安定になる、寿命が短くなるなど

スタジオで使用する機器において使用中に電圧が微妙にでも変化すると音に影響しそうじゃね?

ってことで、電圧を一定に供給できる機器が、そう定電圧装置です。

ずずん

当スタジオでは、100V用と120V用の2つご用意しております。

機材の安定は良い電源から

 

電源関連の話はオーディオ界隈含め奥がかなり深いので、この辺りで失礼します。

 

AD/DA全てをMADIへ変更しました。

当スタジオでは、AD/DAの変換をADATとMADIの

2つの規格を使用しておりましたが、全てをMADIに統一しました。

 

これまでは

ADATは、APOGEE-ROSETTA800 2台

MADIは、ANTELOPE AUDIO-ORION32 1台となっておりましたが、

 

ANTELOPE AUDIO-ORION32 2台とRME MADIfaceXTに変更しました。

 

APOGEE ROSETTA800も長年使用し、特定のチャンネルに不具合が起きたこと

また、インターフェースを複数使用することの故障の確立、ワードクロック及び配線の複雑さから

MADIへ統一することにしました。

 

変更後は、ブース側でプリアンプから96kHzで32chの入出力

コントロールルーム側でも32chのアウトボードへの入出力となっております。

 

AD/DAで大事なクロックは、コントロールルームのORION32から

ブース側のORION32とMADIfaceXTへ送るシンプルな状態となっております。

 

APOGEE ROSETTA800のロックな音はホント好きでしたが

ADATの規格がハイレゾの96kHzへの変換チャンネル数の少なさはネックになりつつあり

こればっかりは仕方がないこと

 

AD/DA変換としては、当スタジオで採用したRMEにも以外にも

focusriteのREDNETや、wavesとdigicoのDiGiGridなどもあり比較検討しましたが

REMをこれまで使ってきたこと、また、安定性や信頼性が抜群によいので

RME MADIfaceXTとANTELOPE ORION32にしました。

 

スタジオ料金の改定について

いつも利用いただき、ありがとうございます。

2018年7月1日からスタジオの利用料金を以下のように改定します。

レコーディング 4,000円(1時間)

リハーサルスタジオ 2,000円(1時間)

ミックスダウン 20,000円から、当スタジオでの録音素材以外につきましては 25,000円から

マスタリング 2,000円(プリマスタリングまで)

詳しくは、こちら からご確認ください。

よろしくお願いいたします。

防音室について 2.壁、天井編

床編に続き、壁、天井編になります。
まずは、壁、天井を普通の住宅と同じく、在来工法で作ります。
その部屋の中に遮音、吸音するための壁、天井を再度作るイメージになります。

当スタジオの遮音、吸音用の壁、天井は、厚さが約30cmにもなるため、普通の住宅の天井高さからでは低くなってしまうので、床を低くし、さらに天井高さも高く設計してます。

壁厚も四方が当初よりも30cm狭くなるので、これを見越した部屋の広さが必要になります。

 

これが天井の構造で、壁も基本的には同じ構造ですが、遮音層、吸音層が交互に5層の積層構造となっています。

これが遮音材

こちらが吸音材になります。

5層構造ともなると、材料(一部ですが)だけでもこれだけの量になります。

こちらが最後に吸音パネルを設置した最終の状態です。

防音室内は密閉空間となるため、防音専用の換気システムも必要となります。

また冷暖房も室外機と繋がるため防音専用の配管となっております。

 

 

防音、遮音、吸音、拡散のバランスについてですが

音の全周波数帯において、完璧に防音、遮音を可能とすると、SONYのスタジオ建設時においては、コンクリート厚は最低1.5m必要となったようです。この完璧な防音、遮音は、逆に言えば音の逃げ道が無いので、全てが反射され室内にいつまでも反響している状態となります。

音もエネルギーなので、反射を繰り返すにつれ、壁、床、天井での摩擦等により熱などに変換され減退していくのですが、録音にとっての適切な反響を得るためには、吸音と拡散が必要となります。

吸音は、低域になるほど難しく、100Hz以下に対し効果的な吸音材はないと思います。また、吸音材を過剰に設置すると高域が吸音され過ぎて、音が篭ったスタジオにもなる可能性もあります。

この低域の定在波の影響を少なくするためには拡散が必要となります。

聞きかじった話ですが、音楽にとって理想的な環境は、雪が降っている竹林なんだそうです。

雪が深々と降ってると静けさもあり、竹林も適度な反響もありそうで、確かに理想的かなと思いますが

 

 

当スタジオでは、遮音、吸音、反射を考慮し、スタジオ外部への影響が無いように在来工法の壁、床、天井までは、ある程度音を意図的に漏れさせ、バランスを取り理想的な音質で録音できる環境となっております。

録音機器等も含め、理想的な録音環境となるように努力しております。

 

防音室について 1.床編

めっきり暖かくなり、桜も満開、花粉も満開な季節となりましたね。
スタジオ近くの公園へ花見に行ったら、出店が例年に比べ少ない感じ
急に春めき桜が咲き始め、出店の移動調整が難しかったのかと邪推しつつ

今回のブログは、当スタジオの録音環境について、特に防音室・レコーディングブースについてです。

当スタジオは、約14畳と約2畳のレコーディングブースがあり、ドラムとボーカル・アコギなどを同時にかぶり無く録音できるようになっており、このブースの他に録音をオペレートするコントロールルームがあります。

録音をする際に、防音室・レコーディングブースに求められること

それは「なにか?」と言われれば

※遮音:録音する音源以外を排除できること
※反響:録音する音源を、適切な響きで録音できること

になると思います。

※遮音は、生活環境音(家電製品の稼動音や車の騒音など)から遮断され、録音する音源だけをクリアに収録できること。
※反響は、響き過ぎない環境(フラッターエコーや、特定の周波数だけ反響しない)が必要。

特に、「遮音」については、レコスタとして最低条件です。

これを踏まえたうえで、当スタジオの防音室・レコーディングブースはどうなっているのか?

前置きが長くなりましたが、「1.床編」本題です。
 
当スタジオの床構造は「浮き床」となってます。

これは、基礎の土間コンクリートの上に高密度の断熱材を敷き、その上にコンクリートを再度打設することにより、地面及び他基礎との接点を無くし、屋内外からの振動を遮断(縁切りという)すること。

これが、96kのグラスウール断熱材

この断熱材で四方を囲み、この上からコンクリートで浮き床を作ると

こうなります。

ちなみに、グラスウール断熱材は100mmで、コンクリート厚は150mm
 
当スタジオの床への遮音、調音の対策は以上です。

次回は、「2.壁編です」

新年のご挨拶

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

毎年12月辺りに、当スタジオで使用しているDAW CUBASE9.5のバージョンアップがあり、昨年まで年末、年始にインストール、動作確認をしてました。

今年は、パソコンも更新したため、CUBASE9.5も含め、UADFabfilterなどのVSTNativeinstrumentsSpectrasonicsなどのソフトシンセ、オーディオインターフェースなどの、インストール、登録認証、動作確認作業を延々と繰り返す

地獄の正月w

でした。

 

パソコンは、これまでのでも性能、能力的にも不足はなかったのですが、パーツの経年劣化などで可動できなくなる場合も考慮し、5年程度で更新してます。また、前のパソコンをバックアップとして不測事態にも対応してます。

 

ここ最近はCPUの進化スピードが鈍化しているようですが、さすがに5年前と比べれば負荷は減ってます。

ただ、DAWはハイパースレッディングでの分散処理が上手にできないようで、マルチコアよりは、シングルコアでクロックが高い方が有利なのではないかと思います。

16コア、32スレッドで分散処理がうまくできるならすごいと思いますけど・・・

 

レコ屋としては、いかにレイテンシを下げ、安定して録音できるかが重要なのでパソコンのパーツ構成、インターフェースは吟味してます。

 

レイテンシは0.7msecで24bit-96kHzで24チャンネル同時録音

DAW内部処理は64bit-float

EQに関しては、Vintech-AudioのX73、Rupert-NeveのPortico、ノックダウンしたSSL4000Eなどのアウトボードなど、DynamicsはUADのアナログモデリングなどを使用しミックスしてます。

 

最近は、こんな感じで営業しております。

 

 

もう一つ、前もってのお知らせですが、

今年の7月に価格の改定を予定しております。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

 

追記 ひっそりした告知です。

NHK-BS で放送された六角 精児さんの鉄道旅番組に提供した曲がCD音源化されました。

アコースティックなシンプルな曲ですが、作編曲、ミックス、マスタリングと全て自前です。

アマゾン、タワレコなどで購入可能、CDのほかMP3もあります。

このご時勢にCD化してもらえるのはありがたいことです。

soundtracks